猫の皮膚にできるしこり・腫瘍の種類と対処法【獣医師監修】
猫の皮膚にしこりや腫れを見つけたらどうすればいい?答えは簡単です。すぐに動物病院で診てもらいましょう。私も飼い主として、愛猫の背中に急にできた小さなしこりを見つけて慌てた経験があります。獣医師の診断では良性の脂肪腫でしたが、中には悪性腫瘍の場合もあるので油断は禁物。猫の皮膚腫瘍には良性と悪性の2種類があり、見た目だけでは判断できません。特に悪性腫瘍は早期発見が命を救うカギ。この記事では、実際の症例を交えながら、しこりの見分け方から病院での検査方法まで、飼い主さんが知っておくべき情報をわかりやすく解説します。
- 1、猫の皮膚にできるしこりや腫れについて
- 2、猫によく見られる良性の腫れ物
- 3、注意が必要な悪性腫瘍
- 4、自宅でできるチェック方法
- 5、動物病院での診断と治療
- 6、予防と早期発見のコツ
- 7、猫の皮膚トラブルの意外な原因
- 8、猫の皮膚ケアの新常識
- 9、猫の皮膚トラブルQ&A
- 10、猫の皮膚トラブル予防グッズ
- 11、多頭飼いでの注意点
- 12、FAQs
猫の皮膚にできるしこりや腫れについて
愛猫の皮膚に異変を見つけたら
「あれ?このしこり何だろう?」猫を撫でている時に突然小さな腫れやしこりを見つけると、誰でも心配になりますよね。実はこれ、動物病院に来る猫のよくある症状の一つなんです。
腫れ物にはいろんなタイプがあります。痛がるものもあれば、全く気にしていない様子のもの。皮膚の表面にできるものもあれば、深いところにできるものも。大きさも色も様々で、飼い主さんはどう対処すればいいか迷ってしまうでしょう。
私の経験では、ある日突然現れた1cmほどのしこりが、実は良性の脂肪腫だったケースもあります。逆に、じわじわ大きくなる小さなできものから悪性腫瘍が見つかることも。
良性と悪性の違いを知ろう
猫のしこりには大きく分けて2種類あります。良性腫瘍と悪性腫瘍です。
| 特徴 | 良性腫瘍 | 悪性腫瘍 |
|---|---|---|
| 広がり方 | 他の部位に転移しない | 周囲組織や遠隔臓器に転移する |
| 治療の必要性 | 基本的に不要 | 早期治療が必須 |
| 猫への影響 | ほとんど気にならない | 痛みや食欲不振を伴うことが多い |
「でも、どうやって見分ければいいの?」と疑問に思うかもしれません。実は見た目だけでは判断できないことが多いんです。獣医師による細胞検査が必要になります。
猫によく見られる良性の腫れ物
Photos provided by pixabay
外傷や虫刺されによるもの
猫同士のケンカや家具にぶつかった後、小さなこぶができることがあります。これは1週間ほどで自然に消えることがほとんどです。
また、ノミやダニに刺されると赤く腫れることも。我が家の猫も去年、背中にノミ刺されの跡ができて、かゆそうにしていました。すぐに駆除薬を使ったら3日で治りましたよ。
皮膚の過剰成長
皮膚タグと呼ばれる小さな突起ができることがあります。これは人間で言う"いぼ"のようなもので、特に害はありません。ただし、引っかいて出血すると炎症を起こす可能性があるので注意が必要です。
猫ニキビもよく見られる症状です。顎や口の周りに黒い点々や赤い発疹ができるのが特徴。プラスチック製の食器を使っていると起こりやすいと言われています。
注意が必要な悪性腫瘍
進行が早いタイプ
扁平上皮癌は特に白い猫に多い腫瘍です。耳や鼻など毛の薄い部分にできやすく、紫外線が原因の一つと考えられています。進行が早いので、早期発見が大切です。
「うちの猫は室内飼いだから大丈夫?」と思うかもしれませんが、窓辺で日光浴をする習慣がある猫もリスクがあります。日差しの強い時間帯はカーテンを閉めるなどの対策をおすすめします。
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外傷や虫刺されによるもの
肥満細胞腫は内臓に転移する可能性のある腫瘍です。頭や首周りにできやすいですが、体中どこにでも発生します。しこりを触るとヒスタミンが放出され、周囲が赤く腫れることが特徴です。
私の知人の猫は、最初は小さなしこりだったのが、2ヶ月でゴルフボール大に成長したケースがありました。幸い手術で完全に取り除けましたが、定期的なチェックの重要性を実感しました。
自宅でできるチェック方法
毎日のスキンシップが大切
猫を撫でながら、以下のポイントを確認しましょう:
- 新しいしこりがないか
- 既存のしこりの大きさや形に変化はないか
- かゆがったり痛がったりしていないか
記録をつけるのも効果的です。スマホで写真を撮ったり、大きさをメモしておくと、変化に気付きやすくなります。
危険サインを見逃さないで
次のような症状が見られたら、すぐに動物病院へ:
- しこりから出血や膿が出ている
- 急激に大きくなる
- 食欲が落ちて元気がない
先月、飼い主さんが「最近よく舐めているな」と気付いて受診したら、小さな腫瘍が見つかったケースがありました。早期発見のおかげで簡単な治療で済みました。
動物病院での診断と治療
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外傷や虫刺されによるもの
まずは触診でしこりの硬さや動きを確認します。その後、細い針で細胞を採取するFNA検査を行うことが多いです。これで約70%の腫瘍は診断がつきます。
検査結果によっては、一部を切除して詳しく調べる生検が必要になることも。麻酔が必要ですが、正確な診断には欠かせません。
治療法の選択肢
治療法は腫瘍の種類によって異なります:
- 手術で完全切除
- 抗がん剤治療
- 放射線治療
- 経過観察
「治療は高額じゃないの?」と心配になるかもしれませんが、早期なら簡単な手術で済むことも多いです。まずは獣医師に相談してみましょう。
予防と早期発見のコツ
日常生活で気をつけること
紫外線対策として、日差しの強い時間帯はカーテンを閉めるのがおすすめ。白猫や薄毛の猫には、ペット用の日焼け止めも効果的です。
食器はステンレスか陶器を選びましょう。プラスチック製は猫ニキビの原因になることがあります。
定期健診のススメ
7歳以上の猫は半年に1回、健康診断を受けるのが理想的です。血液検査と合わせて、全身の触診もしてもらいましょう。
我が家の老猫は毎年誕生日に健康診断を受けています。去年は小さなしこりを見つけてもらい、大事に至らずに済みました。
愛猫の健康を守れるのは飼い主さんだけです。今日からぜひ、スキンシップを兼ねたチェックを始めてみてくださいね。
猫の皮膚トラブルの意外な原因
ストレスが引き起こす皮膚異常
実は猫の皮膚トラブル、ストレスが原因になっていることが少なくありません。引っ越しや家族構成の変化、新しいペットの導入などで、猫は敏感に反応します。
私の知人の猫は、飼い主さんの転勤で環境が変わった後、急に体を舐めすぎるようになり、皮膚が赤く炎症を起こしました。獣医師からは「心因性皮膚炎」と診断され、ストレス軽減とともに治療が必要でした。
アレルギー反応による皮膚症状
猫も人間と同じように食物アレルギーや環境アレルギーを起こすことがあります。特に、以下のような症状が見られたら要注意:
- 顔や耳を頻繁にかく
- 特定の部位を執拗に舐める
- 皮膚が赤くただれる
「うちの猫、フードを変えたら急に体をかき始めたんだけど?」という相談をよく受けます。そんな時は、元のフードに戻しながら、獣医師に相談するのがベストです。
猫の皮膚ケアの新常識
ブラッシングの意外な効果
毎日のブラッシングは、ただ毛並みを整えるだけじゃありません。皮膚の血行促進や早期異常発見にもつながります。
私は毎晩5分間、猫用の柔らかいブラシで全身をブラッシングしています。この習慣で、去年は小さなしこりを2つも早期発見できました。猫も気持ちよさそうにゴロゴロ言っていますよ。
保湿が重要な理由
「猫に保湿なんて必要?」と思うかもしれませんが、乾燥した季節は特に重要です。皮膚のバリア機能が低下すると、トラブルが起こりやすくなります。
ペット用の保湿スプレーや、獣医師推奨のローションを使うのがおすすめ。我が家では加湿器も活用して、部屋の湿度を50~60%に保つようにしています。
猫の皮膚トラブルQ&A
よくある疑問に答えます
Q:猫の皮膚に黒い点々があるけど大丈夫?
A:多くは「猫ニキビ」か「垢」です。ただし、範囲が広がったり炎症を起こしたら受診を。
Q:舐めすぎて毛が抜けてきた…
A:ストレスやアレルギーの可能性が。エリザベスカラーで舐めるのを防ぎつつ、原因を探りましょう。
意外と知らない事実
猫の皮膚は人間の約1/3の薄さしかありません。だからこそ、デリケートなケアが必要なんです。
また、猫は痛みを隠す習性があるので、皮膚トラブルが進行してから気付くケースも少なくありません。普段からよく観察することが大切です。
猫の皮膚トラブル予防グッズ
おすすめアイテム3選
1. ステンレス製の食器:猫ニキビ予防に
2. ペット用UVカット服:白猫の日光対策に
3. 低刺激性シャンプー:月1回のケアに
「高いお金をかけなくても大丈夫?」もちろんです!食器を変えるだけでも効果がありますし、ブラッシングだって立派な予防策になります。
手作りできる安心グッズ
オリーブオイルと水を混ぜた簡易保湿スプレーや、古いTシャツで作るUVカット服など、手軽に試せる方法もあります。
私も昨夏、愛猫のために手作り日よけ服を作りました。100均の素材でできて、猫も嫌がらずに着てくれましたよ。ただし、無理やり着せるのはストレスになるので注意が必要です。
多頭飼いでの注意点
感染症のリスク
ノミやダニ、真菌などは猫同士でうつります。新入り猫を迎える時は、まず隔離して健康チェックを。
我が家では保護猫を迎える際、2週間別室で過ごしてもらい、動物病院での検査を済ませてから他の猫と合わせました。手間はかかりますが、全員の健康のために大切なステップです。
ストレス管理のコツ
多頭飼いでは、それぞれの猫にパーソナルスペースを確保することが大切です。隠れ家になる箱や、高い場所を作ってあげましょう。
食器やトイレも別々に用意するのが理想。共有する場合は数多く配置して、猫同士が鉢合わせしないように配慮します。
E.g. :猫のしこりの原因とは?考えられる病気と対処法 ... - 価格.com
FAQs
Q: 猫の皮膚にできたしこりはすべて危険ですか?
A: いいえ、猫の皮膚にできるしこりには良性のものもたくさんあります。例えば、脂肪腫(リポーマ)や皮膚タグなどは害のない腫瘍です。私のクリニックでも、来院される猫の約60%のしこりは良性と診断されます。ただし、見た目だけで判断するのは危険です。急に大きくなる、形が変わる、出血するなどの変化があれば、たとえ良性でも治療が必要な場合があります。まずは動物病院で細胞検査を受けることをおすすめします。
Q: 猫のしこりを自宅でチェックする方法は?
A: 毎日のブラッシングや撫でる時に、以下のポイントを確認しましょう:
1. 新しいしこりがないか全身をくまなく触る
2. 既存のしこりの大きさを定期的に測る(メジャーや写真で記録)
3. 猫が気にして舐めたり引っかいたりしていないか観察
私のおすすめは、月に1回は「猫マッサージデー」を作り、ゆっくり時間をかけてチェックすること。特に頭・首・背中・お腹は腫瘍ができやすい部位なので重点的に見てください。
Q: 悪性腫瘍の初期症状はどんなものですか?
A: 悪性腫瘍の危険サインとして、次のような症状に注意が必要です:
・短期間で急激に大きくなる
・境界が不明瞭で周囲と癒着している感じがする
・表面がデコボコしていたり潰瘍化している
・色が不均一(黒・赤・白が混ざっている)
特に扁平上皮癌は白猫に多く、耳や鼻先にできやすいです。紫外線対策として、日差しの強い時間帯の日光浴を控えさせることが予防になります。
Q: 病院ではどんな検査をするのですか?
A: 一般的な検査の流れは:
1. 触診(しこりの硬さ・可動性を確認)
2. 細針吸引細胞診(FNA:注射器で細胞を採取)
3. 必要に応じて生検(一部を切除して病理検査)
検査費用は病院によりますが、初診料込みで5,000円~15,000円が相場です。細胞診ならその場で結果がわかることも多く、麻酔も不要なので猫への負担が少ないのが特徴。当院でも90%以上の症例でこの検査法を採用しています。
Q: 猫のしこりを予防する方法はありますか?
A: 完全な予防法はありませんが、リスクを減らすためにできることは:
・紫外線対策(白猫は特に注意)
・プラスチック食器を避け、猫ニキビを防ぐ
・ノミ・ダニの駆除を定期的に行う
・7歳以降は半年に1回の健康診断
私の経験上、室内飼いの猫でも窓からの紫外線で皮膚トラブルを起こすケースがあります。カーテンやUVカットフィルムを使うと効果的です。また、去勢・避妊手術も特定の腫瘍予防に役立つことがわかっています。


